ステロイド薬と上手につきあうために——副作用を正しく知って、安心して治療を続けましょう

2026.04.10

ステロイド薬と上手につきあうために——副作用を正しく知って、安心して治療を続けましょう

「ステロイドって、怖い薬じゃないの?」

そう感じている方は、少なくありません。

確かにステロイド薬は、長く使うと副作用が起こることがあります。でも、正しい知識を持って、生活習慣に少し気をつけるだけで、副作用を最小限に抑えながら治療を続けることができます。

関節リウマチや膠原病の治療でステロイドを服用中の方に、ぜひ読んでいただきたい内容をまとめました。


そもそも、ステロイド薬とは何か

ステロイド薬(副腎皮質ステロイド)は、両方の腎臓の上端にある「副腎」から自然に作られるホルモンを、人工的に合成したものです。免疫の過剰な反応を抑え、炎症を強力に鎮める働きがあります。

関節リウマチ・膠原病・アレルギー疾患など、幅広い病気の治療に使われており、適切に使えば非常に頼もしい薬です。


知っておきたい、主な副作用

副作用は使用量・使用期間・個人差によって大きく異なります。すべての方に起こるわけではありませんが、代表的なものを押さえておきましょう。

・感染症へのかかりやすさ(易感染性)
→免疫を抑える薬のため、風邪・インフルエンザ・真菌(カビ)感染などにかかりやすく、重症化しやすくなります。投与量が多い時期には、感染症予防のお薬(バクタ配合錠など)を処方することがあります。

・骨粗鬆症 
→骨密度が低下し、圧迫骨折や大腿骨頸部骨折が起こりやすくなります。長期服用の方は特に注意が必要で、骨を守るお薬(ビスホスホネート薬など)が必要になる場合があります。

・血糖値の上昇(ステロイド糖尿病)
→糖を合成する働きが高まるため、血糖値が上がります。投与量が多いほどリスクが上がるため、食事療法が重要で、糖尿病治療薬が必要になるケースもあります。口の渇き・頻尿・だるさが続く場合はご相談ください。

・消化性潰瘍
→胃・十二指腸潰瘍のリスクが上がります。予防のため、胃酸を抑えるお薬や胃粘膜を守るお薬を処方することがあります。みぞおちの強い痛み・黒い便・吐血がある場合はすぐに受診してください。

・血栓症
→血小板の働きが活性化するため、血管の中で血液が固まりやすくなることがあります。

・高血圧・むくみ
→体内に塩分が溜まりやすくなるために起こります。定期的な血圧測定と塩分制限が大切です。

・動脈硬化・脂質異常症
→コレステロールや中性脂肪が高くなることがあります。食事に気をつけ、必要に応じてお薬での管理を行います。

・体型の変化(満月様顔貌・中心性肥満)
→食欲の増加と脂肪代謝の変化により、顔が丸くなったり、お腹周りに脂肪がつきやすくなります。薬の減量とともに改善していきます。

・精神症状
→不眠・気分の高揚・うつ状態が起こることがあります。多くは軽度で、薬の減量により改善します。

・皮膚症状
→皮膚が薄くなる、あざができやすくなる、ニキビ(ざ瘡)ができやすくなるなどの変化が見られることがあります。

・大腿骨頭壊死(無菌性骨壊死)
→大量投与でごくまれに起こります。投与後数ヶ月以内に股関節の痛みとして現れることが多く、早期発見が重要です。股関節に違和感を感じたら早めにご相談ください。

・目への影響(白内障・緑内障)
→長期使用により、白内障(視界が白く濁る)の進行が早まることがあります。また、眼圧が上昇する緑内障は自覚症状がほとんどないため、眼圧測定でしか気づけません。眼科での定期的なフォローが望ましいため、かかりつけの眼科での定期受診をお勧めします。


副作用を防ぐために、日常生活でできること

副作用は「薬のせいだから仕方ない」と諦める必要はありません。生活習慣の工夫で、リスクをぐっと下げることができます。

・骨を守る
→カルシウムを多く含む食品(乳製品・小魚・大豆製品・緑葉野菜)を意識して摂りましょう。1日15〜30分程度の日光浴でビタミンDを補い、ウォーキングなどの適度な運動を続けることが骨の維持につながります。骨粗しょう症の予防薬・治療薬が処方されている方は、必ず服用してください。

・感染症を防ぐ
→手洗い・うがい・マスクの習慣を丁寧に続けてください。人混みへの不要な外出は控えましょう。インフルエンザワクチンなど、主治医が勧めるワクチンは積極的に受けましょう(生ワクチンは必ず主治医に確認してから)。38℃以上の発熱や強い悪寒があれば、我慢せず早めに受診してください。

・口の中を清潔に保つ(歯科の定期受診を)
→免疫が低下しているため、口の中は菌が繁殖しやすい状態になっています。口腔内の細菌が全身の感染症の引き金になることもあるため、日頃の歯磨きに加え、歯科での定期受診・クリーニングをお勧めします。 口腔カンジダ症(白い苔状のもの、口の中の痛みや違和感)が気になる場合は、早めにご相談ください。

・食事と胃を守る
→塩分は1日6g未満を目安に控えめに。カロリーや糖分の摂り過ぎも体重増加・血糖上昇につながります。ステロイドは食事と一緒に服用すると胃への刺激が和らぎます。胃薬が処方されている方は、飲み忘れないようにしてください。

・市販の痛み止めに注意
→市販のNSAIDs(ロキソニンなど)は、ステロイドとの併用で胃へのダメージが増えます。自己判断で使用せず、必ず主治医か薬剤師にご相談ください。

・手術・抜歯の前には必ず相談を
→手術や抜歯など体にストレスがかかる処置の前は、ステロイドの増量が必要になる場合があります。他の科や歯科を受診する際は、ステロイドを服用中であることを必ず伝え、事前に当院にもご相談ください。


絶対に守ってほしいこと——自己判断での中止・減量はしないで

ステロイドを突然やめると、「副腎クリーゼ(副腎不全)」 と呼ばれる危険な状態を引き起こすことがあります。

体は通常、副腎からステロイドホルモンを自然に分泌しています。しかし長期間薬で補っていると、副腎自身がホルモンを作る力を一時的に休止してしまいます。そのため急に薬をやめると、体内のステロイドが一気に不足し、強いだるさ・低血圧・吐き気・頭痛などが現れます。このような症状が出た場合は、救急への受診が必要です。

「副作用が怖いから自分で減らしたい」「調子が良くなったからもうやめても大丈夫かも」——そう思ったときは、必ず受診してご相談ください。薬の調整は主治医と一緒に、少しずつ行うのが鉄則です。


こんな症状が出たら、すぐにご連絡を

次の症状が現れた場合は、我慢せずに当院または医療機関へご連絡ください。

38℃以上の発熱・強い悪寒・のどの痛み / みぞおちの強い痛み・黒い便・吐血 / 急な腰痛・背中の痛み・身長が縮んだ感じ / 股関節の痛みや違和感 / 激しい頭痛・視力の変化・目のかすみ / 強いだるさ・急に薬が飲めなくなった後の体調不良 / 異常な口渇・頻尿・急な体重減少 / 強い不安感・気分の激変


わからないことは、いつでも遠慮なく

「この症状はステロイドのせい?」「薬の量、変えてもいい?」「他の病院でお薬を出してもらいたいけど大丈夫?」——どんな小さな疑問でも、受診時にお気軽にお声がけください。

さくらリウマチ内科クリニックは、近鉄河内山本駅から徒歩3分。八尾市・柏原市・東大阪市を中心としたエリアを対応しております。予約不要・診察時間内にそのままご来院いただけます。月・火・水・金の午前中に診療しています。

薬と上手につきあいながら、毎日を安心して過ごしていただけるよう、当院がしっかりサポートします。


さくらリウマチ内科クリニック 〒581-0867 大阪府八尾市山本町2丁目4-4 近鉄河内山本駅より徒歩3分 外来診療:月・火・水・金 9:00〜12:00(予約不要) TEL:072-940-6767

 

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